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リキモリオイル高性能の秘密-002

Part.2 秘密にしたいエンジンオイルの錬金術

かつて存在した化学合成油の定義

 前章では、化学合成油の定義によってその基準が変わると申しましたが、実はもうすでに変わっちゃっているんですね。どういう事かと言うと、まずはその基準となる規格のお話をしないといけません。

 エンジンオイルには様々な規格がありますが、基本となるベースオイルの分類にはAPI規格(American Petroleum Institute=アメリカ石油協会) という規格が使われており、その分類は以下のようになります。

グループⅠ/溶剤精製された鉱物油

グループⅡ/水素化処理精製鉱物油

グループⅢ/鉱物油+化学合成油

グループⅣ/化学合成油(PAO)

グループⅤ/グループⅠからⅣ以外の化学合成油(エステル系他)

 要するに、この分類に従うとⅠからⅢは鉱物油(もしくは鉱物油ベース)であり、ⅣとⅤが化学合成油ということになるわけです。以前は化学合成油の定義や表示も、この分類に準じたものになっていたので、大昔はグループⅣに属するPAOを使ったモービルワンが正々堂々と“100%化学合成油”を名乗っていた。

 もちろん、マーケットもユーザーも、同じような認識でいたので、何も混乱はなかったわけです。ところが、USカストロールが1997年に“シンセティック”というエンジンオイルを発売したところから、話が変わってきました。

 シンセティックのベースオイルは鉱物油を水素化分解した物で、APIの分類ではグループⅢに分類される製品でした。ところがカストロールはこれを「めっちゃエンジンを保護する化学合成油でっせ」と売り出したんですね。

 これに対して化学合成油の本家本元であるモービルは、「化学合成油というのはグループⅣかⅤであって、あんたんとこのはⅢだからちゃうやろが。不当表示やないかい」と、アメリカ広告審議会(日本のJAROみたいなもの)に抗議したのです。

ユーザーを混乱させるグレーゾーン

 ところが、アメリカ広告審議会の裁定はカストロールに軍配を上げてしまったものだから大騒ぎです。これで、アメリカではグループⅢベースのエンジンオイルも堂々と化学合成油と名乗れるようになってしまった(ヨーロッパではダメです)。

 そして、その後は“右に習え”で表示方法は劇的に変わり、グループⅢベースの多くの製品が化学合成油(シンセティックオイル)として売られてきたわけです。しかも、なんと未だに日本では化学合成油を定義づける規格やガイドラインがないんですよ。ある意味、野放しです。

 控えめなブランドはグループⅢベースの製品を“鉱物油”と言い、正直なブランドは“部分合成油”と言い、売る気満々のブランドは“化学合成油”と言うわけです。(本来なら“部分合成油”が的確だと思います)。

 そういうわけで、とくに日本における“化学合成油”という言葉は、まこと売り手に都合の良いグレーゾーンに存在しているわけです。

 グループⅢで“100%化学合成”という表示に、少々無理があると感じたのかどうなのか(一部ではずいぶん叩かれましたからね)、最近のカストロールは“全化学合成”なんて言う、分かったような、分からないような表示になっています。おかげで、ユーザーはますます混乱するわけです。

 ちなみに、この騒動があったのは1999年の事ですが、直後の2000年にカストロールはイギリスの石油メジャーであるBPに買収されました。対してモービルの親会社はアメリカの石油メジャーであり、世界に流通するPAOの約50%を生産しているエクソンなので、このあたりで何か怪しい感じがしないわけではありません。

 ともかく。厳密な意味での100%化学合成油は数少なく、値段もべらぼうに高いということだけ覚えておいてください。そして、確かに高性能ではあるものの、レースのような極限状況でエンジンを使用しない限り、そのコストに見合った結果は得られないと考えてもらっていいでしょう。

添加剤で差をつけるのは難しい!?

 言ってみれば、精製や合成技術の発展した現在は、一般的な部分合成のエンジンオイルも相当に高性能で、コスト的には圧倒的なメリットがあります。現在、販売されているエンジンオイルの大半が、高度精製鉱物油や部分合成油であることからも、それは理解できます。

 では、その性能や品質を左右する要素は何かというと、“添加剤”の配合と、製造から販売までの“品質管理”に尽きると言ってもいいんですね。

 添加剤は、エンジンオイルが製品としての性能や規格を満たすためにベースオイルに配合するものです。だいたい100種類くらいありますが、基本的には添加剤メーカーが販売するパッケージと呼ぶ、複数の添加剤をブレンドした既製品を使用します(これに対して単品の添加剤をコンポーネントと呼びます)。

 そして、コンポーネントメーカーは数多くありますが、パッケージメーカーは世界で4社しかないのです。つまり、添加剤の出どころはあまり変わらないので、普通に添加剤を配合しても成分で大きな差を生む事が難しいわけですね。要は手頃なエンジンオイルは“五十歩、百歩”で、どれを使っても大して変わらないって事です。

 そこで、DIパッケージを基本に独自の配合レシピを加える事によって、商品力を高めているブランドや高性能なプレミアムグレードが存在するというわけです。もちろん、その詳しい内容はたいてい企業秘密です。

 ベースオイルの表示がバラバラで、添加剤の配合も基本的に秘密ですから、もうこの時点でエンジンオイルの実態はかなり不透明だと、思いますよね? ところがですね、その信頼性の危うさといったら、こんなものじゃないんですよ。

“誰が、どこで”作ったか?それが問題だ

 結局、世界中の自動車の数だけでも10億台を超えていますから、石油製品の中では原価が安く、しかも消耗品でリピートされるエンジンオイルは商売になる。だからインチキをやる奴が出て来ても、怪しい筋が絡んできてもおかしくないわけです。

 よく知られているのは並行輸入商品、いわゆる“並行モノ”です。同じブランドの同じ商品でも、正規輸入の製品と並行モノは中身が違う場合がある。これは主に仕向地の違いでフォーミュラ(調合)が変わっているからです(例えば日本向けの場合は湿度対策が強化されている場合がある)。

 同じ商品でも製造工場が違えば、仕向地が違うのも当たり前なんですが、そういう商品が横流しされている。もっと悪質になると、安いグレードのオイルを混ぜて商品を水増ししたり、詰め替えやラベルの貼り替えなんて話もあるわけです。

 まあ、いろいろと手口はあるようですけど、たいていは大きなドラム缶で仕入れて、どこかで商品を小分けにするわけです。で、コストと手間のかからない紙缶とか、安物の金属缶に詰め替えて“一丁上がり”というわけです。

 ディスカウントストアとか量販店で見かける、激安のブランド物オイルは注意した方が良いかも知れませんね。見慣れたメーカーロゴやパッケージだけど、なんとなく雰囲気が違う、そういう商品を見た事があると思います。

 金属缶も、長い期間では金属イオンによってオイルが酸化するという話がありますね。内側の表面処理で防止できるのでしょうが、ヨーロッパ製の高級エンジンオイルの多くは、信頼性と品質保持の意味で樹脂製容器を使用しているわけです。

 いずれにしても、私たちユーザーは分析装置を持ち歩くわけにもいきませんから、その商品や販売店を信用してエンジンオイルを購入するしかないわけですね。正規輸入のブランド品ですら“絶対”だと言い切れない世の中ですから、“誰が、どこで作ったか”がハッキリしていることが一番大事なのではないでしょうか。

 じゃあ、それを確かめられるオイルがあるのかと。次はBOZZスピードがどうして、LIQUI MORIを使うのかって話です。

 

主なエンジンオイルの規格

API規格

多くのチェック項目でSA~SN(SIとSKを除外)の12種類のグレードに分類。SA~SGは1980年代以前の古い自動車を対象としたグレードで、新しいSLグレードから環境面も考慮されており、現在はSN/RCというクラスが最上位の規格となっている。日本の国産車ではエンジンオイルの指定にAPI規格を用いている

ACEA規格

ACEA=欧州自動車工業会のエンジンオイル規格は、ガソリンエンジン用=A、軽荷重ディーゼルエンジン用=B、排ガス対策装置装着車用=C、高荷重ディーゼルエンジン用=Eの4分類があり、環境対応を重視した規格内容としている

SAE粘度

潤滑油の粘度を定める規格。エンジンオイルのSAE規格の表示は、10W-30といったマルチグレード表示が一般的で、WはWinterの頭文字で、左の数字は低温時の粘度、右の数字は高温時の粘度を表す。数字が小さいほど常温で柔らかく、大きくなるほど硬いオイルとなる

HTHS粘度

油温が高くなるに連れて起こるオイルの粘度低下(=熱ダレ)が起きた場合の実効粘度の評価指数。10W-50のような高いマルチグレードのオイルが、150℃の高温とせん断による影響を受けた場合の実効粘度を表す。一部のブランドを除き、非公開であることが多い 

 

主な添加剤の種類と働き

清浄分散剤

高温の作動で生成されるスラッジを金属表面から取り除き、化学的に中和して、エンジン内部を清浄に保つ

酸化防止剤

酸化物等と反応して安定な物質に変えることにより、油の酸化と、酸化によるワニスやスラッジの生成を抑制

油性向上剤

油性剤、潤滑性向上剤とも呼ばれ,低荷重下における摩擦面に油膜を形成し摩擦や摩耗を抑制

摩耗防止剤

高荷重下あるいは低速度下の境界潤滑領域で、油膜と金属表面の酸化保護被膜が破れた際に,金属表面と反応して新たな被膜を形成し金属面の融着を防止

極圧剤

摩耗防止剤と同様。摩擦面の直接接触を妨げて金属面の融着を防止

粘度指数向上剤

温度変化に伴う潤滑油の粘度変化を抑制。燃費の向上,オイル消費量の低減,低温始動性の向上を促進

流動点降下剤

低温におけるロウ成分の結晶化を防止し,流動点を低下させてエンジンオイルの適用温度範囲を広げる

さび止め剤

金属表面に保護膜を形成。また酸を中和してさびの発生を防止

腐食防止剤

オイルの劣化で生じた腐食性酸化生成物を中和。また金属表面に腐食防止被膜を形成

消泡剤

潤滑油の泡立ちを抑制し,生成した泡を破壊する

 

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