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2020-0315号 ブレーキ系チューニングのお話

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ボズレター2020-0315号 BOZZ LETTER Ver.2020-0315

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2020年03月15日号
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皆さん、こんばんは。

今、コレを書いているのは土曜日の午後4時…
先程まで外はすごい雪でしたが…皆さん大丈夫でしたか?
箱根ではとんでもない積雪だったとか…
皆さんの無事を祈っております。

また、毎日のニュースはコロナウィルスの話ばかりです。
久田は工場の中にいるだけですし、
通勤もクルマですからあまり深刻ではありませんが…
電車に乗って通勤しなければならない方たちは不安でしょうね…
かと言って電車止めるわけにも行かず…
一刻も早い収束を願うばかりです。

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◎ブレーキ系チューニングのお話
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さて、2020年は、チューニングを初歩からおさらい…
というテーマで進めております。
サス、マフラーと続きましたので、
今回はブレーキの話をしたいと思います。

ブレーキ系のチューニングの話をお客様とすると、
久田とお客様の間に温度差があることが多いです。
もちろん、十分理解できる話なのですが…
お客様は、“効くブレーキ”を欲しがることが多いのです。
そして、パッドやらローターやら、大径ブレーキやら、
6PODだの、8PODだのという話になるのですが…
効くブレーキが欲しいのならむしろ簡単です。
パッドメーカーさんに問い合わせて、
摩擦係数の最も高いブレーキパッドはどれですか?
と聞き、それを組み付けるだけで終了です。
6PODなんか全然いりません。
ローターもノーマルで良いですし、
ホースもそのままでも大丈夫でしょう。
ブレーキペダルの上に足を置き、
ちょっと力を入れたらどっか~ん!
と効くブレーキが出来上がります。

はい、ダメダメチューニングカーの完成ですね。

ブレーキのチューニングを行うときに、
大切なポイントは3つあります。
あー、薄っすらと文句を込めて4つにしておこうかな…
ともあれ、話を進めますね。

まずはお客様の最も欲しがるポイントである
“効き”
これは大切だと思います。
ところが、考えてみれば当たり前のことなのですが…
いくら効くブレーキを取り付けたとしても、
タイヤのグリップ力以上の制動は不可能なのです。
そして、お客様の車両の殆どにはABSが装着されていると思います。
タイヤのグリップ限界=ブレーキロックが発生する…
と考えると、ABSが作動する状態ならば、
効きに関しては十分だと言えます。
ただ、気をつけなければいけないのは、
エボやインプレッサWRXのような4WD車の場合、
リアタイヤのロック限界が先に来てしまうと、
フロントにABSが介入してしまうことがあるのです。(車両によります)
そのため、リアブレーキのパッドに効きの良すぎるものを使用していると、
フロントタイヤのグリップ限界の前にABSが作動してしまい、
結果的に制動距離が伸びてしまう…ということになりかねないのです。

これは、前後同じブレーキパッドを使用している場合は
さほど考えなくても良いことですが、
前後に異なるメーカーのもの、
同じメーカーでも違う種類のものを組み込んだりすると
起きる可能性のあることです。
フロントパッドのほうが一般的には早く摩耗しますが、
“今度は違うパッドを試してみよう…”と考えるなら、
もったいないとは思いますが、
前後同じものに交換したほうが良いでしょう。
また、効きに関してですが、
久田は、全力でブレーキペダルを踏んづけたときに
ABSが作動し始める…もしくは、ABS無し車の場合は、
ブレーキがロックするくらいが、
一番ちょうどよい効き具合だと思います。

先程ダメダメチューニングと言った、
軽く踏んだだけでどかーん!と効くブレーキでは、
軽くブレーキを舐めながらコーナー進入時の姿勢を作るとか、
雨や、路面状況、車両のコンディションなどによって、
タイヤのグリップが低下した際のコントロールが
ひどく難しいものになってしまいます。

先程、ブレーキチューニングにおいて、
大切なことは3つ、あるいは4つあると言ったことのうち、
1つ目は効き。
そして2つ目はこのコントロール性です。
よく、“このブレーキは噛みつき気味になる”という言葉を使いますが、
それは軽く踏んでいるだけでも強く効いてしまい、
さらに同じ力で踏んでいるにも関わらず、
どんどん効きが強くなってしまうようなブレーキをこう表現します。
ダメなブレーキの一つですね。
同じような言葉に、“ドッカンブレーキ”というものもありました。
これも似たような症状で、
軽く踏んでも効きすぎてしまうことを表すものです。
ブレーキは、効くことは良いことだけれども、
効き過ぎはダメ…ということですね。

そして大切なポイントの3つ目。
それは耐フェード性を含む、
激しい走行にどれだけ連続して耐えられるか?という性能です。
ブレーキは少し難しい言葉でいうと、
エネルギーの変換装置です。
運動エネルギーを、摩擦を使って熱エネルギーに変換して、
運動量を低下させることがブレーキの仕組みです。
ということは…超高速からの激しいブレーキングを繰り返すと、
熱もどんどん増えていくということになります。
この熱はブレーキローターやパッド、キャリパーに溜め込まれて、
そして、空気によって冷却されていくわけなのですが、
冷却を上回る量の熱が供給されてしまうと…
パッドが高温になって効きが低下してしまう“フェード”あるいは、
液体であるブレーキフルードが熱に耐えられなくなって沸騰してしまい、
沸騰によって発生した気泡によってブレーキが全く効かなくなる
“ベーパーロック”という現象が起きることがあります。
どちらも極めて危険な状態ですが、
どっちか選べ!と言われたらこれはフェード一択です。
マジでまだまし…

どちらもブレーキが効かなくなる…
ということに関しては同じなのですが、
フェードの場合は、必ずだんだんと効かなくなるのでわかりやすいのです。
明らかにブレーキが甘くなっていきます。
そうしたら冷やしてやればほぼ元通りになることが多いのです。
フェード気味だったけど、
そのまま頑張って走ってクラッシュしちゃいました…
なんてことになったら○○ですからね!!
効きが甘くなったら冷やす。コレが基本です。
ところが、ベーパーロックの場合は、
一気にブレーキペダルが床まで入ってアウト…
ということにもなりかねません。
前兆まるで無し…も普通なのです。

久田が若い頃に、
某メーカーのブレーキを飛行場でテストしていまして…
ガツーン!と激しく効くブレーキだったのですが、
150km/hくらいからのブレーキングを何回も繰り返したところ…
ズドンと床までペダルが入ってノーブレーキになりました。
あやうく駐機してるセスナに突っ込んじゃうところでしたよ…
ボズスピードでは、
ブレーキフルードはIDIさんのBF338というものを
メインにオススメしております。(一応他のもあります)
これは、そのフルードが現在考えられる、
ほぼ最高の沸点をもっているからなのです。
もちろん、流動性が高くてペダルタッチが良いとか、
意外に安いとか、色んな理由はありますが、
メインの理由は沸点。つまりベーパーロックの起きづらさなのです。
ベーパーロックが起きてしまう理由は、
フルードに比べて、パッドの耐フェード性が高すぎるという事に尽きます。
恐ろしく高温になっても、パッドが頑張ってしまうので、
先にフルードが音を上げてしまうのですね。

ブレーキパッドのカタログや、ウェブでのデータを見ていると、
こいつはフェードしなくて良さそうだ!
と思うこともあるでしょう。
しかし、ノーマルのブレーキフルードにそんなパッドを組み込んだりすると…
ベーパーロックが発生してしまうかもしれません。
怖いですよ…これ。

さて、ブレーキチューニングの大切なポイントの3つを説明しましたが、
ここまでで普段のメルマガの量を大幅に超えてしまいました…
残りは次回に回しますね。
実は、ブレーキの熱の話はまだ続きます。

次回は、文句もたくさん書いちゃうぞ…
久田だってなぁ…言いたいことは色々あるんだよっ!

ということで、また次号で!
手洗い、うがい、タイヤの空気圧チェックはマメにしてくださいね!

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