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2012-1002号 ブレーキローターのお話

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「ボズレター2012-1004号BOZZ LETTER Ver.2012-1004」

発行日:2012.10.04

ボズレター2012-1004号

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ランエボとインプレッサのチューニングとトラブル解決なら!
BOZZSPEED/ボズスピードのメールマガジン=ボズレター
2012年10月04日号
ウエブサイト http://www.bozz.co.jp/
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皆さん、こんにちは!

つい先日まで、暑い暑いと言ってたのに、
すでに肌寒い日も多くなりましたね。
季節の変わり目です、お体、大事にしてくださいね。

しかし、クルマにとってはいい季節の到来です。
水温、油温、ブレーキ。
全てにいいですね。ガンガン踏んで行きましょう!

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┃目次
┃◎これがなきゃ止まらない!ブレーキローターのお話
┃◎編集後記
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今回のネタはブレーキローターです。

パッドほどではありませんが、
これもまた、消耗品なのですね。
その消耗、トラブルなのですが…
大きく分けて、4つのパターンがあります。

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◎これがなきゃ止まらない!ブレーキローターのお話
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まず一つ目は、単純な摩耗ですね。

パッドのほうがいくら柔らかいとはいえ、
恐ろしいほどの速度を、
摩擦を使って制動しているわけですから、
やはり減ってしまいます。

一般的に、パッドの当たり面は、
ローター面より小さくなっていますので、
必ず、摩耗するときは段差ができます。
この段差をみることによって、
ある程度、摩耗の状況がわかるわけですね。
もちろん、正式にきちんと調べるときは、
ローターの厚みそのものを、
新品時と比較することが必要となります。

さて、この摩耗ですが、
発生すると何が起きるのでしょう? 

綺麗に減っている場合なら、
別に効きが変わるわけでもありませんし…
いや、ダメなのです。
メーカーが摩耗の限度を設定しているのは
それなりの理由があるのですね。

ブレーキパッドはキャリパーの中にあるピストンで押されて、
ローターに押し付けられます。
パッドが減っても、ローターが減っても、
ブレーキペダルのストロークは変わりませんね。
これは、キャリパーのピストンが、
パッド、ローターの摩耗にあわせて、
徐々に押し出されることによって、
クリアランスを自動調整しているからなのです。

しかし、この調整のストロークには限界があるのです。
そりゃそうですね、ピストンがどんどん押し出されていくと…
最終的には、ポン! と飛び出してしまいます。
その瞬間にブレーキ効かなくなります。めっちゃ危険です。

でも大丈夫。だから、
ローターの摩耗限度をメーカーはきちんと設定しているのですね。
え? 摩耗限度? なんだそりゃ?
パッドは座金まできちんと使うぜ?
うーん…めっちゃ危険です。
ブレーキなんか急に効かなくなってもいいんだぜ?
ワイルドだろぉ? という人以外はやらないでくださいね。

もちろん、メーカーはこの値には、
かなりのマージンをとっています。
しかし、油断はダメ。
摩耗したローターと、摩耗したパッドの組み合わせ。
これはとても危険だと思っていてください。

摩耗がよろしくないもう一つの理由は、
ブレーキの根本的なしくみに関係してきます。

何度も書きましたが、
ブレーキはエネルギーの変換装置です。
運動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって
クルマを減速させているのです。
そしてローターの質量は、
その熱エネルギーを貯め込むことができる能力と比例します。
だから、“バネ下重量の低減は車両の運動性能に大きな影響を与える”
とわかっていながら、
ペランペランのローターを搭載する高性能車が存在しないわけなのです。
あんなクソ重い鉄の円盤…軽くしたら効きそうですものねえ。
でも、軽く出来ないのですね。

もうお分かりだと思いますが、軽く出来ない理由は、
熱エネルギーを貯め込む能力が低下するからなのですね。
そして、ローターの摩耗は、この能力の低下にほかなりません。
だから、あんまり減らしちゃダメなのです。

訳知り顔で、
“ジムカーナ車両はわざと
 ローターペランペランに削って軽くするんだよ?
 競技で大丈夫なんだから、ストリートなんか余裕”
なんて言うバカったれがいるかもしれません。
ジムカーナ車両は、
ほとんど新品パッドしか使わないからこれでもいいのです。
こんな人は信じないほうがいいです…

トラブルの2つ目は、回転方向に無数の傷が入り、
レコード盤のようになることです。
これはパッドの材質と、
ローターの材質のマッチングが良くない時、
パッドの対応温度域を大きく外れた温度で使用した時などに
発生しやすいです。

これも、ブレーキの性能を100%発揮できない状態になってしまいます。
最悪なのは、この状態のローターでパッドを新品に交換することですね。
新品パッドも、
レコード盤に削られてあっという間に溝入りパッドになってしまいます。

ローターがレコードになってしまったら、
出来ればローターとパッドの両方を交換することがベストです。
その時はショップさんに相談して、
より、ご自分の使用状況にあったパッドにされることが大事ですね。
雑誌やネットに書いてあることを鵜呑みにしないでください。
“このパッド最高!”→“よっしゃ! 俺もそれ買うぜ!”
ちょっと待った!
そのテストの条件はあなたの普段の使用状況と似てますか?
でなければ意味が無いのですよ?

また、このレコード盤に関しては、
ローター研磨という解決策も無いわけではありません。
しかし、ひどく摩耗してしまったローターをさらに研磨するということは、
一つ目のトラブルである摩耗により薄くなる…
を引き起こすことにもなります。
信頼出来るショップさんでよく相談してくださいね。

3番目のトラブルは、ローターのひび割れ。これです。
超高温域で使用するとこのひびが発生することが多いです。
一般的にヘアーラインクラックと呼ばれる、細かいものは、
なんとかまだ使用できないこともありません。
しかし、一度この状態になってしまうと、
更に悪くなることはあっても、良くなることは決して無いのです。
経過をよく観察しながら、
大きなひびが発生する前に交換されることをお勧めします。

もちろん、割れた中身が見えてしまうような大きなひび割れの場合は、
ローターは即交換です。ずっと以前の話ですが、
デモ車のローターに
ヘアーラインクラックにしか見えないようなひび割れが発生したため、
筑波での走行を中止して店に戻ったら…店に着いた時には、
そのひびが5ミリくらいの幅のクラックになっていて
ゾッとしたことがあります。
温度が下がった事によって広がったのでしょうね。

最後に、ローター表面に何やら黒いものが
ヒョウ柄のように発生するトラブルがあります。
これはジャダーの原因にもなりますね。
このヒョウ柄の発生する理由ですが、
簡単に言いますとパッドの使用温度域の間違い…が多いです。
特に、ストリート向けと言われているパッドで、
超高速域からのフルブレーキングを行った時などに発生しやすいです。
よくよく見てみると、ローターのベンチレーションのリブの位置と、
ヒョウ柄が連携していることがわかるかもしれません。
リブの位置は温度が高く、空気の通る部分は温度が低いと考えられますので、
ほぼ100%、温度によるトラブルと考えられます。

このヒョウ柄は、しばらくそのまま乗っていると、消えることもありますが、
どちらにせよ、そのパッドはあなたの使い方には合っていません。
ショップと相談して、次はどんなパッドを使うかを考えてみるといいでしょう。

最後に、このヒョウ柄が、
一部分だけに発生することがあるのをお伝えしておきます。
これは、サーキットをハードに走行した後に、
すぐに停車した時などに発生しやすいです。
理由は簡単。ローターのパッドに近い部分だけ、
走行後も激しく熱されてしまうのですね。
目一杯熱くなっているパッドが真横にあるのですから、
これも当然ですね。

サーキットを走行するときに、久田がクーリングしろ、
クーリングしろとうるさく言いますね。
こんな部分にも影響するからなのです。
クーリングが必要なのは、オイルや水だけじゃないのです。

さて、駆け足でローターのトラブルを紹介いたしました。
これ以上の話はお店でしましょうね。
どんな質問でも大丈夫、
お茶でも飲みながらじっくり話しましょう!!

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◎編集後記
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はい、今回のキーワードです。

最近久田がよく行く焼き鳥屋さんなのですが、
先日、皮を塩のよく焼きで注文したところ…

「うちの皮は、地鶏で分厚いから、
 よく焼いてもカリカリにならねえんだよ!
 カリカリじゃなくて、
 プリッとした食感を楽しんでくれよっ!」

と、怖いオヤジに怒られました。
店で働く格闘技の選手を怒鳴り飛ばす怖いオヤジです。
小柄だけど。
「んじゃ、それで!」
とはっきり返事しましたが…
出てきた皮は絶品。
うーん、グダグダ言うよりプロに任せておけってことですかねえ…
ということで、今回のキーワードは

“カリカリだけが皮じゃない”

にします。ブレーキ屋さんのM田さん、オイル屋のE原さん。
ネット屋のN山、S谷。あと、うちに来る皆さん全員。

ここの焼き鳥うまいっすよ。行こうよ~~~♪

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